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スーパーカーの裏側

スーパーカーへの道 2

さて、フェラーリだ。

いつもと同じように箱根のお気に入りの道をめざし、ポルシェと同じようにアクセルを踏んでみる。
速い!気がする良い音。
最初はこの音が聞きたいがゆえにアクセルを開け、鳴くところで流し、シートをレカロシートに変更するころには一旦ポルシェを忘れていた。

フェラーリとポルシェの違いは明らかだった。
コーナーか中に緊張感を高める音、リヤが流れるようで流れない嫌な感じ、そして直線に入った時の加速音、ブレーキの利きの悪さ。
ポルシェのほうが性能は上だったかもしれないが、不思議と引き込まれる何かがあった。
たぶん、これはレーシングカーの「味」じゃないか?と勝手に考え最高に楽しかったのを覚えている。
箱根のお気に入りの場所で車を止めて夜景を見ながらたばこを吸い愛車にも一時の休息を与える、不思議とフェラーリに乗るときに味わうタバコはうまかった。
実に生意気な若造だった。

348のシフトの入りにくさからギヤーオイルを何種類も試してみたり、エンジンオイルにこだわってみたりプラグを変えたりコードを赤くしたり、乗っていても楽しかったが触っていてもとても楽しく、まるでバイクをいじっている気分だった。

こんなに愛している348でドライブを楽しんでいるあるときの夜の東名。
バックミラーにものすごい勢いでキセノンライトが近づいてきた。
348にも鞭を入れたが、そういうレベルではない、左に車線変更し早めに進路を譲ってみると、まるでF1マシンのような音で過ぎ去っていく赤い何かが現れた。
512TR。
すぐに分かった、次の「狙い」が走り去っていったのだから、すぐに分かった。

しかし当時はまだまだ高額で手が出なかったので348を売却し、再度993でお茶を濁した。



そして狙い続けること1年、27歳の時に512TRは僕のもとにやってきた。

クワンタムの足回り・TWSの直管マフラー・色はソリットブラック、ABSなしの前期ものだったがそんなことはどうでもよかった。
非常に程度がよく下手な改造もしていない。


エンジンオイル・ギヤーオイル・プラグやタイミングベルト、足回りすべてのブッシュまで交換するまで乗らなかった。
生意気な若造がいつもの場所を目指すために12気筒に対してそれだけ「構えた」のである。
もっと言えば、スポーツカーとの付き合い方を変えたのかもしれない。

約一か月後、修理工場へ赴き、完璧な状態の12気筒に火を入れ、首都高速から中央道へ行き八王子料金所を超えたところで手の汗を拭き、アクセルを踏んでみた。
レーシングカー
あの時の若造は、そう感じた。
手汗が止まらないが、なぜだかアクセルを緩められない。
中央道のゆったりしたコーナーは12気筒に最適だった。

まったくぶれることのないクワンタムの足。
F1マシンのような超甲高い音。
弱いブレーキ・・・

すべてが融合してレーシングカーの疑似体験をさせてくれている。


さて、ここで勘違いの起きないように伝えたですが、僕は決しておかしな車の取り扱いはしない。
例えば1速までエンジンブレーキを使うとか、意味もなく常にアクセル全開とか、そういう車が悲鳴を上げる様な取り扱いはしない。
常に車に語りかけて車の機嫌がよい領域でアクセルを操作し、路面を感じて車の性能を知る。
もちろんレッドゾーン近くまで回すことは多々あるが、バイク乗りだった僕から言わせれば、常に全開に扱えば性能を知ることはできるが楽しむ事とは違う、あくまで一般販売車両に対してだが。

そして、僕が運転するときは「親指と人差し指」だけでハンドルをつかみ高速道路を走る。
危険なように聞こえるが、これをやることによって車の挙動がすべてわかり、次に何を何のために整備するか?がおのずと見えます。


512TR
512M
フェラーリ最後のミッドシップ12気筒と言われた車に1年間乗れたことを感謝する。

ありとあらえるコーナーで感じることはイン側が路面に吸い付いていて、マフラーは鳴いたまま曲がっていき、リヤの挙動を常に簡単に感じさせてくれる。
これがミッドシップなのか?フェラーリなのか?
どちらでもよい。

12気筒ミッドシップは最高である。

では、もう一つ新しいモデルの550マラネロはどうなんだ?
なんで新車の時に2800万円もした車がモデナより安いのか?
そんなに性能が悪いのか?フロントエンジンはダメか?日本人の食わず嫌いか?実際、当時の海外ではモデナと同じくらい、少し高いくらいで取引がされていたハズだ。若造がいろんな理由をつけて狙いを定めた。

乗るしかない。

次の狙いは550マラネロ。

575でもよかったが当時はマニュアル車以外考えられなかった。














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スーパーカーへの道 1

車業界に飛び込んで18年目を迎えている、今年僕は36歳になったので人生の半分は車に費やしていることになる。
奥さんとは19年目・・・・

最初は、スポーツカーにはあまり興味がなく4WDが主体の車選びをして、朝一で波乗りをして会社に行き、仕事として扱う車種はすべて「旧車」と呼ばれる車ばかりだった。
波乗りに使うサーフボードにもフェラーリやランボルギーニ、ポルシェといえるような性能の違う大御所メーカーが存在する。

21歳の時にポルシェ964カブリオレを買う機会に恵まれた。恵まれたといっても、当時、ポルシェは大嫌いだったが、とりあえずオープンカーになるし女性にもてるかも?というくだらない理由で買ってみたのをよく覚えている。
しかし、今、考えるとこのポルシェがスポーツカーの終わりのないループに引きづり込んだ原因となったのは明らかだ。
このポルシェはティプトロニク、要はオートマ。
乗っていても何も面白く感じられず、ただ都内を流してみたり高速道路で少し飛ばしてみたり、ただそれだけだったが、ある日、自動車にある「スポーツ感」を思い知らされる日が訪れた。
東名高速上りの川崎出口へ車線変更をして出口のコーナーへ入ったとき、当時は怖さも知らない子供だったのでいつもよりオーバースピードだった。
やばい!と思った時、ポルシェはリヤのグリップを失ってしまった。
とっさのことに、アクセルは踏んだまま、ハンドルはカウンターを当てていた。
車では走り屋でなかった僕だが、ゴルフのGTIなどで面白半分にドリフトしたり峠を攻めてみた経験や、バイクでの経験が生きたようだ。
あの出口コーナーを知っている方ならわかると思う、昔は2車線あっって、最初は左、そして少し切り込む右コーナーへ入り込んでいく。
あの右コーナーを素人がドリフトでクリアしてしまった。
そのドリフトをしている最中に「高性能」を感じてしまった。

これが今、スポーツカーそしてスーパーカーに乗りたいと思った小さな事件で、この時から大嫌いだったポルシェを紐解いていく事になってしまった。
その後、なんでこんなかっこ悪い車がこんなに高性能なのか?
じゃあとことん乗ってみようという事で964の5速、旧車好きだった僕は大嫌いだったポルシェに渋さをも感じてしまい930-5速に手を出し、そして94年式993マニュアル車(なんと黄色)に乗り継ぎいつの間にか箱根の峠道が大好きになっていた。
もともと4WDに乗っているときもあまり派手な改造は好きではなく、ノーマルの感覚を残しつつ走りの質・楽しさを高める為の改造するのが性に合っていた。
ポルシェに乗り込み箱根に行き夜景を楽しみ走りを味わう・・・こんな生意気な若造がポルシェに飽きたころ大事件が起きたのである。
RUF仕様に武装したポルシェを雑誌で見つけた人が、なんと大阪から348で現れ、即買いたいと言い出した。
その348はチャレンジホイールや社外マフラーで武装され、その音色は最高で、そして黄色だった。


24歳の夏、フェラーリ348TBでイタリアの走りを味わい始めたのである。



2に続く・・・







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プロフィール

Risuke Tashiro

Author:Risuke Tashiro
神奈川県川崎市でひっそり営業しています、有限会社WORLD IMPORTと申します。

自動車業界に入って29年、独立から27年が経ちました。

当時は旧車といわれる車種が好きでこの業界に飛び込んだのですが、現在ではランボルギーニ・フェラーリ・ポルシェ・アストンマーティンからロールスロイス&ベントレーなどの高級車を扱えるようになりました。
皆様の応援あっての事だと思い日々感謝しています。

有名ディーラーの様に豪華なショールームと言う訳ではありませんが「信用」「質」「サービス」を重んじて日々、努力しております。

http://www.world-import.biz/

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