スーパーカーへの道 4
360モデナ
前回,
書いたようにこの車は僕の「こだわり」を一瞬で消してくれた一台だった。
初めて乗ったとき、エンジンをかけた瞬間に別物だと感じさせてくれる。
何が違うのか、どこが良いのか、初心を思い出し感じたままに書いてみたいと思います。
まずは、パッと見たときの見た目。
僕が車に目をやるときには、必ず後姿から舐めるように見るのが癖。
女性を見る時も?・・・・
355なら先代のいかにもフェラーリ的なラインに4個の◎テールレンズが素晴らしいバランスで並んでいてエンジンフードカバーのエアダクトもやる気にさせてくれた。
360は、な~んか・・・なんかな~・・・かっこいいんだけど速そうに見えない?感じ。
ボディラインは曲線のみになり、リヤガラス下にあるフェンダーダクトは小さいし、穴が少ない。
リヤガラスのサイドにはダクトがついていて放熱には問題なさそうだが、プラスチックだしな…せめてアルミのネットとか使ってよ。って思った。
確かに新車価格は355とほぼ同じなのにプラスチックが多い?印象が強かった。
ルーフから続くエンジンフードはガラスになりエンジンが丸見えという面白い演出かもしれないけど、なんかのぺっとして見える。
サイドステップあたりにも何もなくホイールも相変わらずの5本スポーク。
前周りに回り込んでなめまわす・・・・
餌を食いすぎの金魚のお腹のような盛り上がったフェンダー、そのラインを崩さないまま続く固定式のヘッドライト。フロントバンパーのネットもプラスチック?
う~ん。どうも好きになれない。
でもまあ、買ったんだからしょうがないと思いたばこを吸いながら360の前方方向へ歩きだし、少し距離をとって振り返る。
う~ん・・・デカいけど、かなりきれいなライン、もちろんかっこいい!けど、なんかぼてっとしてやがる。
とりあえず乗りに行くかという事でシートに滑り込みキーをオンにする。
ハンドルの握り心地はとてもいい、少し太くなったかな?
エアコンダクトやメーター回り、シフト回り(6速)、サイドブレーキからドアの内張り・・・今までのV8のイメージが全くない。
唯一、天井は今までと一緒。
575Mの方がかっこいい、これは正直な意見。まあ、新車価格が違うからしょうがない。
まあいいや、エンジンかけてみるか・・・・
シフトゲージを確認して、内装を見てる間にセキュリティーが効いてしまったのでリモコンで解除。
この車両はノーマルの360という事を意識しながらエンジンスタート。
あれ?口が開いた。全然違う。
エンジンがかかった瞬間に、とても軽々しく跳ね上がるタコメーター。
二次エアーを吸っている間の少し高めのアイドリング音はテレビでよく見るあれに似てる。
全くの別物、その印象しかなかった。
一旦車から降りて、回転が落ちるまでと思い、もう一度なめまわす。
かっこいい。
エンジンがかかっているモデナからは威圧感というか、イケイケ感が出ている。
いつも間にか乗り込んで軽く空吹かしをしてみて違いがすぐに分かる進化。
簡単に跳ね上がるエンジン、ノーマルなのに綺麗で乾いたフェラーリサウンド。
(バルブは開けています)
期待を膨らませてくれるモデナに乗り込み箱根を目指す。
ハンドル操作時のしっくり感、ブレない足回りは明らかに355と違う感覚。
調布インターから中央道に侵入しいつものごとく2足4千回転から踏んでみる。
ノーマルマフラーとは思えない(バルブは開けっ放し)音に完全にやられてしまった。
しっとりした足回りは路面を教えてくれるし、よく効くブレーキはヒールアンド何たらを自然と誘う。
談合坂までの高速コーナーをなんの不満なく曲がっていく。
踏んでも踏んでも曲がっていく素晴らしい足回り。
快適な室内。
今までの手に汗をかきながら、なんてのは無縁なのに、なぜかカート感が強い。
エンジンの唸り方がとても攻撃的で512TRの似ている切迫感がある。
512TRなら、切迫感を感じるときは、常に手に汗をかいていたが、360であればなんて事ない。
すべての動作を冷静かつ快適に、おそらく誰にでも出来るほど完成度が高い。
今思うとマラネロもそうだったが、あれはV12、また別物。
マラネロと比べれば遅い。
しかし音がいい。
ミッドシップのおかげでマラネロよりもカート感があるのは確か。
V12を最高と思っていたがV8も気楽で、やはり楽しい。
360に見た目の威圧感は全くないが綺麗なボディラインはとても良い、とか何処かのおっさんみたいな感想は、箱根に到着してタバコを吸う頃にどうでもよくなっていた。
先代の味と比べるべきではない、走行・見た目、すべてにおいて時代が変わったのだ。
今でも355チャレンジカーが、360チャレンジカーと一緒にサーキットを走っているのをたまに見かけるが、その時代の違う両車が争っている姿はとても不思議な光景と感じてしまい、脱帽する。
360の甲高い吹け上がりは最高であり、新しい時代のV8だと誰でも感じるはずである。
この360からフェラーリに乗り始めたオーナーも多いはず、事故車も多いから・・・・
横滑りまでの限界が非常に高いので、滑れば事故につながるのは間違いない。
だからだと思うが、僕はこの360でフェラーリのレベルの高さを感じてしまい、新しい時代の性能を試すのが怖くなってしまい、曲がる具合がどうとか、加速がどうとか、この頃から言わなくなてしまったが、心の中ではいつも考えている。
お金をかけず、音がよく、快適なら文句はない。
360モデナは古い時代の感覚をきれいに消してくれたハズだった、が、360の改造車は僕の中で消えかけていた走りに対する感情を引っ張り出したのだった。
次回は360モデナの改造車についてお話します。
前回,
書いたようにこの車は僕の「こだわり」を一瞬で消してくれた一台だった。
初めて乗ったとき、エンジンをかけた瞬間に別物だと感じさせてくれる。
何が違うのか、どこが良いのか、初心を思い出し感じたままに書いてみたいと思います。
まずは、パッと見たときの見た目。
僕が車に目をやるときには、必ず後姿から舐めるように見るのが癖。
女性を見る時も?・・・・
355なら先代のいかにもフェラーリ的なラインに4個の◎テールレンズが素晴らしいバランスで並んでいてエンジンフードカバーのエアダクトもやる気にさせてくれた。
360は、な~んか・・・なんかな~・・・かっこいいんだけど速そうに見えない?感じ。
ボディラインは曲線のみになり、リヤガラス下にあるフェンダーダクトは小さいし、穴が少ない。
リヤガラスのサイドにはダクトがついていて放熱には問題なさそうだが、プラスチックだしな…せめてアルミのネットとか使ってよ。って思った。
確かに新車価格は355とほぼ同じなのにプラスチックが多い?印象が強かった。
ルーフから続くエンジンフードはガラスになりエンジンが丸見えという面白い演出かもしれないけど、なんかのぺっとして見える。
サイドステップあたりにも何もなくホイールも相変わらずの5本スポーク。
前周りに回り込んでなめまわす・・・・
餌を食いすぎの金魚のお腹のような盛り上がったフェンダー、そのラインを崩さないまま続く固定式のヘッドライト。フロントバンパーのネットもプラスチック?
う~ん。どうも好きになれない。
でもまあ、買ったんだからしょうがないと思いたばこを吸いながら360の前方方向へ歩きだし、少し距離をとって振り返る。
う~ん・・・デカいけど、かなりきれいなライン、もちろんかっこいい!けど、なんかぼてっとしてやがる。
とりあえず乗りに行くかという事でシートに滑り込みキーをオンにする。
ハンドルの握り心地はとてもいい、少し太くなったかな?
エアコンダクトやメーター回り、シフト回り(6速)、サイドブレーキからドアの内張り・・・今までのV8のイメージが全くない。
唯一、天井は今までと一緒。
575Mの方がかっこいい、これは正直な意見。まあ、新車価格が違うからしょうがない。
まあいいや、エンジンかけてみるか・・・・
シフトゲージを確認して、内装を見てる間にセキュリティーが効いてしまったのでリモコンで解除。
この車両はノーマルの360という事を意識しながらエンジンスタート。
あれ?口が開いた。全然違う。
エンジンがかかった瞬間に、とても軽々しく跳ね上がるタコメーター。
二次エアーを吸っている間の少し高めのアイドリング音はテレビでよく見るあれに似てる。
全くの別物、その印象しかなかった。
一旦車から降りて、回転が落ちるまでと思い、もう一度なめまわす。
かっこいい。
エンジンがかかっているモデナからは威圧感というか、イケイケ感が出ている。
いつも間にか乗り込んで軽く空吹かしをしてみて違いがすぐに分かる進化。
簡単に跳ね上がるエンジン、ノーマルなのに綺麗で乾いたフェラーリサウンド。
(バルブは開けています)
期待を膨らませてくれるモデナに乗り込み箱根を目指す。
ハンドル操作時のしっくり感、ブレない足回りは明らかに355と違う感覚。
調布インターから中央道に侵入しいつものごとく2足4千回転から踏んでみる。
ノーマルマフラーとは思えない(バルブは開けっ放し)音に完全にやられてしまった。
しっとりした足回りは路面を教えてくれるし、よく効くブレーキはヒールアンド何たらを自然と誘う。
談合坂までの高速コーナーをなんの不満なく曲がっていく。
踏んでも踏んでも曲がっていく素晴らしい足回り。
快適な室内。
今までの手に汗をかきながら、なんてのは無縁なのに、なぜかカート感が強い。
エンジンの唸り方がとても攻撃的で512TRの似ている切迫感がある。
512TRなら、切迫感を感じるときは、常に手に汗をかいていたが、360であればなんて事ない。
すべての動作を冷静かつ快適に、おそらく誰にでも出来るほど完成度が高い。
今思うとマラネロもそうだったが、あれはV12、また別物。
マラネロと比べれば遅い。
しかし音がいい。
ミッドシップのおかげでマラネロよりもカート感があるのは確か。
V12を最高と思っていたがV8も気楽で、やはり楽しい。
360に見た目の威圧感は全くないが綺麗なボディラインはとても良い、とか何処かのおっさんみたいな感想は、箱根に到着してタバコを吸う頃にどうでもよくなっていた。
先代の味と比べるべきではない、走行・見た目、すべてにおいて時代が変わったのだ。
今でも355チャレンジカーが、360チャレンジカーと一緒にサーキットを走っているのをたまに見かけるが、その時代の違う両車が争っている姿はとても不思議な光景と感じてしまい、脱帽する。
360の甲高い吹け上がりは最高であり、新しい時代のV8だと誰でも感じるはずである。
この360からフェラーリに乗り始めたオーナーも多いはず、事故車も多いから・・・・
横滑りまでの限界が非常に高いので、滑れば事故につながるのは間違いない。
だからだと思うが、僕はこの360でフェラーリのレベルの高さを感じてしまい、新しい時代の性能を試すのが怖くなってしまい、曲がる具合がどうとか、加速がどうとか、この頃から言わなくなてしまったが、心の中ではいつも考えている。
お金をかけず、音がよく、快適なら文句はない。
360モデナは古い時代の感覚をきれいに消してくれたハズだった、が、360の改造車は僕の中で消えかけていた走りに対する感情を引っ張り出したのだった。
次回は360モデナの改造車についてお話します。
プロフィール
Author:Risuke Tashiro
神奈川県川崎市でひっそり営業しています、有限会社WORLD IMPORTと申します。
自動車業界に入って29年、独立から27年が経ちました。
当時は旧車といわれる車種が好きでこの業界に飛び込んだのですが、現在ではランボルギーニ・フェラーリ・ポルシェ・アストンマーティンからロールスロイス&ベントレーなどの高級車を扱えるようになりました。
皆様の応援あっての事だと思い日々感謝しています。
有名ディーラーの様に豪華なショールームと言う訳ではありませんが「信用」「質」「サービス」を重んじて日々、努力しております。
http://www.world-import.biz/
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